白内障手術

白内障とは、目の中の水晶体というカメラのレンズに相当する部分が濁る病気です。加齢現象のひとつで、目のかすみ、視力低下、まぶしさなどの症状が現れます。白内障が進行し日常生活に支障がみられる場合は、手術の適応です。手術は濁った水晶体を超音波により細かく砕いて吸引し、残った水晶体表面の袋の中に眼内レンズを埋め込みます。白内障手術は、近年手術方法の進歩により、以前に比べ、より安全に短時間でできるようになりました。
手術は点眼麻酔で約10分
手術は点眼麻酔でおこないます。痛みはほとんどなく、殆んどの症例が約10分程で終了し、20分程休んでから帰宅して頂きます。多くは日帰り手術で行いますが、遠方の方は一泊入院での手術も可能です。

多焦点眼内レンズ
眼内レンズには大きく分けて単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズがあります。眼内レンズは人の水晶体と違い、ピントを調節する機能はありません。
単焦点の場合、ピントが合う距離が1つなので、患者さんはご自分の生活スタイルに合わせて、手元から遠くまでのどこか1点で、ピントの位置を選ばなければなりません。選んだピント以外の距離にはピントが合わないので、その距離を見るためには眼鏡が必要になります。
この写真では遠くにピントを合わせていますので、手元のガイドブックの文字を眼鏡なしで見ることはできません。老眼鏡が必要になります。
ピントが合う距離が複数あるので、眼鏡に依存する頻度をかなり減らすことができます。眼鏡のかけはずしの煩わしさを解消することが可能です。
多焦点眼内レンズは若い頃の見え方のように、眼鏡なしですべての距離にハッキリとピントを合わせられるわけではありません。しかし、おおむねどの距離にもピントを合わせることができます。ただし、単焦点のピントを合わせた距離の見え方と比較すると、やや見え方の質が低下します。
合併症「術後眼内炎」とオゾン水
近年、白内障手術は技術の進歩により、安全性の高いものとなってきました。 しかし、手術には必ず一定の割合で合併症が生じてまいります。
白内障手術の一番恐い合併症は「術後眼内炎」ですが、当院ではこの発症に対し、最新の注意を注いでいます。眼内炎の原因となる細菌の多くは、その人の結膜内に住んでいます。この菌が手術時に眼球内に入り、眼内炎を引き起こします。
当院では手術前に結膜に住んでいる細菌を調べ、その菌に一番良く効く薬を手術前から使用し結膜をきれいにしてから手術を行っております。
また、手術直前の消毒には「オゾン水」を使用しています。オゾン水はあらゆる細菌・ウィルスを瞬時に殺す働きがありますが、人体には無害という優れた性質を持っています。
もちろん、手術室は最新の空調設備を備えた無菌室です。このように当院では術後眼内炎の発症をゼロにすべく、日々努力を傾けています。